世界一周・長期旅行する時に役立つ英語以外の言語4選



70カ国くらい訪問した実体験から、これから世界一周やユーラシア横断などの長期旅行に行く方向けに、少しだけでも喋れるようになっておくと旅行を更に楽しむことができるんじゃないかなという言語をそれぞれご紹介します。

世界一周に必要な言語はこれだ

この記事では世界一周に必要な言語を優先順位順(普通の日本人世界一周者が話す機会が多い順)に挙げて行こうと思います。世界一周と言っても全大陸くまなく周る人は少ないですし、国数も結局40くらいに落ち着く場合が多いと思いますので、ご自身が行く予定の地域や国に合わせて学ぶ言語を絞り込むのが良いと思います。例えばフランス語は西アフリカに行かない方は必要ありません。
特に中南米(スペイン語)や旧ソ連圏(ロシア語)で長期滞在される方は、英語が通じない場合がほとんどですので、現地の言語を少しでも事前学習しておくとローカルの人々とのコミュニケーションが格段に取りやすくなります。

英語(世界・北米)


まあ言わずとしれた世界の主要言語、英語ですね。まごうことなき世界言語です。
別にペラペラになる必要はありませんが、最低限の意思疎通ができるレベルにはしておくと旅の濃度がぐっと上がります。個人的には、長期旅行前のフィリピン留学とかは短期留学は不要だと思います。言語能力はお金で買えるものではないので、「留学に行けば喋れるようになる」というものではありません。

ちなみに現時点で英語があまり得意ではない人が、ネイティブの英語を聞き取れるレベルになるのは短時間では不可能ですので諦めましょう。そのような方が出国までに狙うべきレベルは、「非ネイティブと意思疎通ができるレベル」だと思います。ネイティブの英語って早口だから本当に聞き取りづらいんですよ。対して非ネイティブの英語は殆どがゆっくりですので、(各国の訛りがあるにせよ)あまり英語のリスニングに慣れていなくても聞き取ることが可能です。そして、世界の人口の殆どが非ネイティブです。なので非ネイティブの人と意思疎通ができれば、世界中の大半の英語話者と意思疎通することが可能です。
正直大部分の非ネイティブ同士の会話なんて本当に「中学レベルの英語力」が必要なだけですので、背伸びせずに中学英語を完璧にしましょう。高い金払って語学留学する必要はありません。
ちなみにTOEICの勉強は世界一周する時用の英語学習としては無駄なのでやめましょう。

スペイン語(中南米)


現地でのスペイン語優先度:5
中南米の人は英語がマジで苦手です。なので長期滞在するのであればスペイン語は覚えたほうが良いと思います。世界一周の人だと、なんだかんだ3ヶ月〜半年くらいはスペイン語圏に滞在する人が多いんじゃないですかね。中南米の観光地としてはウユニを筆頭にナスカの地上絵やマチュピチュ、イグアスの滝、エンゼルフォールから中米の遺跡まで見どころが沢山ありますので必然的に旅行に必要な期間は増えていきます。そして何より巨大ですので移動に非常に時間がかかります

スペイン語に関しては、南米に入る前に中米のグアテマラらへんの語学教室に短期留学に行くのが鉄板化していますね。ただまあ何というか、個人的な印象だと「ウユニのベストシーズン待ちの日程調整」の人が多い気がします。「まあ気持ち勉強しておくか」という方が多いため日本人同士でダラダラしてしまうパターンに陥ってしまい、ガチって勉強している方は少ないんじゃないかなという感想です。

ちなみにアメリカの西海岸よりは普通にスペイン語が使えたりします。

  • アメリカ西部
  • メキシコ
  • コロンビア
  • アルゼンチン
  • スペイン
  • ペルー
  • ベネズエラ
  • チリ
  • エクアドル
  • グアテマラ
  • キューバ
  • ボリビア
  • ドミニカ共和
  • ホンジュラス
  • パラグアイ
  • エルサルバドル
  • ニカラグア
  • コスタリカ
  • パナマ
  • プエルトリコ
  • ウルグアイ
  • 赤道ギニア

ロシア語(旧ソ連圏 / 中央アジア・コーカサス・東ヨーロッパ)


現地でのロシア語優先度:4

ロシア語に関しては、オススメするのは完全に「意思疎通のための実用的な理由」からです。「お前はロシア語が喋れるのか!」という反応をロシア以外ではそこまで求めていけません。なぜなら、現在ロシア語の話者が多いのは基本的に現在のロシアが支配していた地域であり、帝政ロシア・ソヴィエト連邦が各地を支配していたことに対する感情は、ポジティブとは言えない場合が多いからです
植民地支配時代の宗主国の言語という意味では中南米のスペイン語なども同じですが、植民地支配から500年以上経っている中南米ではスペイン語がもはや「彼らの国の母語」となりましたが、帝政ロシアが各国を支配したのは19世紀以降です。各国にとって、ロシア語は彼らにとっての「母語」ではなく、あくまで植民地時代に支配してきた「他国の言葉」なんです。
なので喜ばれるという面でいうと、それぞれの国の土着の言語のが喜ばれます。例えばキルギスであればキルギス語とロシア語がどちらも広く通じますが、キルギス語で話しかけたほうが喜ばれます。ただこれも「キルギス系キルギス人」「ロシア系キルギス人」がおり、ロシア系のキルギス人にとってはロシア語のが喜ばれるという複雑な感じになっています。

しかし単純な「意思疎通のための言語」という意味では、多分日本のみなさんが思っている以上にロシア語が通用する国というのは多いですので、ユーラシア大陸横断が旅のメインになる方は簡単なロシア語を覚えておくのをおすすめします。
特に中央アジアは旅行先として非常に魅力的なのでおすすめですよ。

なおアドバイスとしては、ロシア語自体もそうなんですが、ロシア語に使われているアルファベットである「キリル文字」は覚えたほうが色々便利だと思います。

  • ロシア
  • ウクライナ(東欧)
  • ベラルーシ(東欧)
  • モルドバ(東欧)
  • エストニア(北欧)
  • ラトビア(北欧)
  • リトアニア(北欧)
  • カザフスタン(中央アジア)
  • キルギス(中央アジア)
  • ウズベキスタン(中央アジア)
  • タジキスタン(中央アジア)
  • トルクメニスタン(中央アジア)
  • ジョージア(コーカサス)
  • アゼルバイジャン(コーカサス)
  • アルメニア(コーカサス)

アラビア語(中東・北アフリカ)


現地でのアラビア語優先度:5
中東や北アフリカに行くのであれば、アラビア語が出来たほうが確実に楽しいです。これは間違い有りません。おそらく「現地語を少しでも話すことによって距離が近づく地域」ではトップランクに入ると思います「サラームアレイクン」「アレイクンアッサラーム」とアラビア語で挨拶しただけで距離感がグッと近づきます。めちゃくちゃフレンドリーになります。あの辺は中国人(華僑)も特に少なく、アジア人を見ることが殆どありませんので、たまたま出会ったアジア人がアラビアを話してくれるのがとても嬉しいんでしょうね。南米(スペイン語)や旧ソ連圏(ロシア語)は結構アジア系の移民が多いため、アジア人はある程度見慣れています。

個人的には是非覚えて欲しいアラビア語なんですが、ただアラビア語は文字を覚えるのが難しいんですよね。方言もたくさんありますので、そこもネックです。
インシャラーな感じで頑張って下さい。

  • アルジェリア
  • バーレーン
  • チャド
  • コモロ
  • ジブチ
  • エジプト
  • エリトリア
  • イラク
  • イスラエル
  • ヨルダン
  • クウェート
  • レバノン
  • リビア
  • モーリタニア
  • モロッコ
  • オマーン
  • パレスチナ
  • カタール
  • サウジアラビア
  • ソマリア
  • スーダン
  • シリア
  • チュニジア
  • アラブ首長国連邦(UAE)
  • イエメン

フランス語(西・中央アフリカ)


現地でのフランス語優先度:2
フランス語が必要な国は多くありません。発音が難しく、ちょっと勉強しただけでは全然伝わりませんので学習の優先順位は低いと思います。
まだフランス語を使用しているのは主にアフリカですが、基本的に中央〜西に集中しています。なのでアフリカに行くときの王道ルートであるカイロからケープタウンまで、東海岸沿いに縦断する場合はフランス語は必要ありません

まああとはカナダですね。元フランス領だったケベック辺りに行くのであれば勉強しておいても良いかもしれません。

例外:中国語

意外かもしれませんが、世界一周では中国語はほとんど使いません。中国語話者が多い地域というのは「中国」「台湾」「シンガポール」「マレーシア」に辺り固まっていますし、シンガポールやマレーシアであれば英語でコミュニュケーションした方が良いです。世界各国に散らばってる華僑に中国語で話しかけてもそんなに喜ばれません。
なので中国本土や台湾の合計滞在期間が3ヶ月もないような場合は、他の言語に力を入れたほうが良いと思います。

個人的にはスペイン語かなぁ


個人的に英語以外の言語を「これから世界一周する人」にオススメするとしたら、スペイン語かなあって思います。理由は色んな意味でコスパが良いからです。
もちろん中南米に行くのが前提となりますが、まあ世界一周ということでしたらウユニのハイシーズンである1〜2月くらいに南米入りする方がほとんどなんじゃないでしょうか。(もし行かないのであれば、行く地域の言語を学びましょう)

あれだけ広い地域をカバーしてる言語なんてありませんのでそういう意味で手広く使える言語となっています。やはり広い中南米は必然的に滞在期間が長くなりますので、スペイン語に触れる期間も長くなります。そんな旅行中に長期間使える外国語というのは、それだけで学習するモチベーションになると思います。

あとスペイン語って学習コストが低いんですよね。金額的な面もそうですが、時間的な意味での学習コストが他の言語に比べて非常に低なっています。まあつまり「覚えやすい」んですよね。
スペイン語は発音が楽ですので、発音の学習に時間を手間取ることがありません。逆に言うと、それって「リスニング」に割く時間が少なくて済むってことなんですよね。英語やフランス語ですと、リスニングの耳を作るだけでも一苦労ですが、スペイン語ではそれがありません。なので、世界一周する人にとっては時間的なコスパが非常に高い言語となっています。

まあ基本的には「自分が一番興味が持てる言語」が一番ですので、ご自身のお好みでやってみるのが良いですよ!